私が常々感心している商品の一つに「ペットボトル味噌(液体味噌)」がある。
この商品を知ってからというもの、味噌汁を作るのが苦でなくなった。
それまでは、あの味噌のパッケージ(四角い容器に粘土のようにみっちり入れられた味噌の上に薄皮のような紙?が乗せられ、しっかり蓋がされた状態)に対して、
1)蓋の端(隙間)に爪を入れて開ける。
2)薄皮をとる。
3)汚れがつかない(うっかり落とさない)よう、薄皮を裏返した蓋の上にそっと乗せる。
4)味噌をスプーン等で掬いとり、お玉に乗せる。
5)お玉の味噌を箸等でかき混ぜながら、鍋の中に溶き入れる。
6)指を汚さないよう、薄皮の端をそっとつまみ、容器の味噌の上にシワにならないよう慎重に乗
せる。
7)容器にしっかり蓋をする。
(隙間ができないよう蓋と容器の重なった部分を爪でしっかり挟み込んでいく)
8)うっかり指に味噌をつけてしまった場合は水道で手を洗う。
という、気の遠くなるような作業に身震いし、味噌汁1つ作るのも億劫で仕方がなかった。(そして結局、味噌汁はいつまで経っても作られることはなかった。。。)
がしかし、「ペットボトル味噌」の登場で、上記の手間が
1)ペットボトルの蓋をひねり、大さじに1杯味噌を入れる。
2)お椀に1)を入れ、そこに煮立った鍋の具材を入れる。
3)2)を箸でかき混ぜる。
4)ボトルを冷蔵庫にしまう。
のフォーステップに集約されたのである!
これを味噌(汁)界の革命と言わずして何というべきか!
この味噌メーカーのように(私のような)消費者の「怠け心」に気づかなければ、または気づいても従来の製法・形態にこだわり続ける企業ばかりならば、「味噌汁(の調理)を通じた味噌の消費(売上)」はますます減少していくのではないだろうか。(味噌の販売データについては「全国味噌工業協同組合連合会」各種データを参照。http://www.zenmi.jp/miso_toukei.html)
もちろん、昔ながらの和食文化が廃れてきているというのも、味噌の消費減少の原因かもしれないが、上記「文化」の中には「薄皮を乗せた味噌のパッケージ」のような「使い勝手の悪さ」も含まれているに違いない。
ちなみに「インスタントのカップ味噌汁」という商品も便利かつ馴染み深いが、具材に対する満足感という点で「ペットボトル製味噌汁」に軍配があがる。(あとカップ味噌汁は、味噌の袋の開け方次第では味噌が周囲に飛び散ることもしばしば。)
このように、消費者の怠け心を制する者がビジネスを制していくのである。